ベンチャー企業のPR戦略
「無名のベンチャー企業であっても自社の見せ方を少し工夫するだけで、大企業と同等の広報力を発揮できます」。そう断言するのは、企業向けに広報PRに関する企画制作を提案するコミュニケーションデザインの社長、玉木剛氏。『全部無料(タダ)で宣伝してもらう、対マスコミPR術』の著者としても有名な同氏に、ベンチャー企業の取るべきPR戦略を聞いた。
■億単位の広告費に匹敵
「広告費をかけて認知が上がれば、商品が売れるというわけではない。信頼度と認知度が合わさって初めて売れるのです」と玉木氏。ベンチャー企業は、大手のようにネームバリューが低いため、信頼性が低い。多額の広告費をかけたが売れない、そんな状況に陥るのは信頼性の低さに寄与する。
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では、信頼性を上げるにはどうしたら良いのか。「『○○』といえば、◇◇社というブランドを構築する必要があります」と玉木氏は語る。自画自賛の広告だけでブランドは構築しにくい。そこで第三者であるメディアへの掲載が効果を発揮する。
テレビ番組などで取り上げられれば、億単位の広告費を払ったときの効果に匹敵する場合もあるという。そのために必須なのが「戦略的な企業PR」だ。
■企業PR成功の鍵は3点
玉木氏によれば、企業PRが成功する戦略の秘訣は3つ。第一に、自社の方向性を確定させること。どの分野で、何のテーマでブランドを構築したいのか、この戦略が最も重要だ。第二に、メディアに合わせた情報提供。読者層や企画内容など、掲載されたい媒体を徹底的に分析し、それに合わせて情報を提供すること。内容によっては書籍化による出版も効果がある。第三に、変化球をおりまぜたメッセージを発信することだ。
■使いやすいネタの提供が重要
同社がかかわった事例を一つ挙げよう。人材教育会社が若手社員向けの研修をPRしたいとする。その際、研修内容をストレートに伝えるのではなく、若手社員の離職という社会問題に絡めて「若手社員の離職問題に対策を打っている企業」と自社をPRすることで、若手の離職問題について話を聞きたいと思っているメディアからの反応が期待できる。つまり「受け手となるメディアにとって使いやすいネタ」を提供することが重要なのである。
■まず同規模企業の成功事例を
玉木氏が代表を務めるコミュニケーションデザインは、1000媒体のメディアとつながりを持ち、年間100社以上のベンチャー企業のPRを成功に導いてきた。同氏に、最後に広告効果をより大きなものにするための取り組みの始め方を聞くと、「まずは同規模のベンチャー企業での成功事例を知ることから」と説く。
背伸びをせずに始められる自社PR戦略の第一歩。多くの実績を作り上げてきた玉木氏の言葉には、確かな実感がこもっている。
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